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ばんぶろ。 --やや本格的楽曲考察ブログ

「ばんひか」「ウラひか」「ごっちゃBOX!!」共通のブログです。 どこかのバンドみたいに、ゆっくりしっかり書き上げることを目指しています。

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全曲解説:「LAMP」 「ばんひか」先行配信

 異色の非交流・読み物系BUMPファンサイト「ばんひか」に今後掲載予定の「全曲解説コラム」を、更新前に先行配信いたします。
 もしも感想等、頂けましたらトラバ、もしくはご意見・ご感想フォームから宜しくお願いいたします。


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#008 LAMP
---『FLAME VEIN』楽曲の到達点

 収録アルバムとは別セッションだが、BUMPはじめてのシングルとして発表された楽曲だ。内容的には『FLAME VEIN』の曲調に近いのだが、歌詞は『THE LIVING DEAD』に沈没していく過程を『FLAME VEIN』的に翻訳した、かなり特殊な楽曲であると言えるだろう。両方のアルバムの間をつなぐ、重要な位置にある一曲だ。

 「『THE LIVING DEAD』に沈没していく過程を『FLAME VEIN』的に翻訳した」とは、どういう意味か?「ランプ」に出てくる主人公は、「続・くだらない唄」に引き続き、「信じていた全てを失った」者として登場する。

 <思いつく限りの夢や理想を 残らずポッケにつめこんできた>主人公。<もらえる限りの 愛や安心を 入れたカバン大事にしてきた>主人公。だが、主人公はそれを失う。あまりに理不尽な理由で失う。オワリが来そうなその瞬間、主人公の心に語りかけてくる声。"ランプ"だ。

 <闇に凍えるこの身を救う 最後の術は この身の中に>

 この曲最大のキモは、「自分を救うのは自分自身」だ、ということだろう。ランプの正体は"情熱"。『FLAME VEIN』楽曲の根底にあったテーマだ。ただ、そのいずれの曲と比べても完成度はかなり高いと言える。歌詞も、単純に横に並べて読んでみても、ずいぶん整理された印象を受ける(生意気・・・)。すなわちこの曲は『FLAME VEIN』楽曲のひとつの到達点であり、集大成だと言えるだろう。

 一方、内容自体は『THE LIVING DEAD』の深淵に落っこち始めた頃の作品であることが、かなりはっきり分かる。「<思いつく限りの夢や理想>をポッケに入れて走り出せ!」というのが『FLAME VEIN』だったとしたら、この曲は冒頭からその展開を異にしている。何しろ、そのポッケには穴が開いていたのだから。

 実はかなり長い間、僕はこの曲がイマイチ好きではなかった。楽曲単体はともかく、これほど『FLAME VEIN』的な楽曲がこのアルバムのど真ん中に入っていると、どうしても場違いに感じてしまっていたのだ。ハードなテーマを扱った楽曲が多い中、これだけどうしても軽さが目立っていて、「これが無ければアルバムとして完璧だったのにな」とすら感じていた。・・・だが、こうして解釈を始めてみると、「ランプ」は「続・くだらない唄とほぼ同じテーマを描いている」ことに気がついた。「続・くだらない唄」でも、「ランプ」でも、描かれているのは「全てを失った主人公が再び何かを取り戻すまで」だ。「続~」と違い、「ランプ」では凄惨たる主人公の描写はほとんどなく、代わりに「自分の救世主=心の中の情熱=ランプ」の描写に力を入れている。そのため印象はかなり異なるが、どうにも"同じ状況"をふたつの曲が別々に解釈して書かれたのではないか、と感じる。この絶望の淵の主人公を、『THE LIVING DEAD』的に描いたのが「続・くだらない唄」、『FLAME VEIN』的に描いたのが「ランプ」ではないだろうか?

 そう考えると、この曲順は非常にニクい。「続・くだらない唄」で雰囲気を徹底的に暗くしつつ、次の曲では同じテーマを明るく歌い上げる。聴く人もここで重い作品世界から浮上してくる。これまでの流れに一息つかせる効果を有していると言えるだろう。

 そして、「何かを失ったとき、見失ったとき、君の中にある○○が君を再び奮い立たせてくれる」というこのプロットは、のちに数多くの曲を生み出した。その○○が、「ダイヤモンド」では「弱い自分」、「ハルジオン」では「名も無い小さな花」、「メロディーフラッグ」では「あのメロディー&消せない旗」・・・、そして近作、「涙のふるさと」では、「涙」であった。それらの楽曲の元になっているのは、紛れもない、この曲だ。メロディを変え、モチーフを変え、BUMPは同じテーマの曲をいくつも作っている。その大きなジャンルのひとつを確立させた曲(このジャンルの原点は、それこそ「DANNY」だと思う)だと言えよう。

 とはいえ、曲調的にも歌詞的にもアルバム内では浮いている感じが否めない。仕方なかった、のだが、うーん、個人的には心がイマイチ開けない曲だ。この曲はまさしく『FLAME VEIN』的楽曲の集大成であり、同時に初期制作体制においての「卒業制作」だったのだと言えるだろう。アルバムの中でも一服の清涼剤としての役割は果たしている気がする。そしてこの小休止の後、アルバムは最大の山場を迎えることとなる。★

歌詞引用一覧歌詞の扱いについて
<>内はすべて、「ランプ」 作詞作曲・藤原基央
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テーマ:BUMP OF CHICKEN - ジャンル:音楽

  1. 2007/05/04(金) 10:07:58|
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